ほぼ間違い!メンズ用化粧水の種類と選び方~使わない方が肌に良いかも
ここでは男性向けの「化粧水」の選び方を解説します。
特に男性は「スキンケア=化粧水」という、呪いにでもかけられたのかと思うほどその固定概念にとらわれている方が多いのですが、基礎化粧品は決して化粧水だけではありません。
言い換えれば、それほど男性の美容知識が無いということであり、その無知を利用した悪質な化粧水も数々販売されています。そもそも「化粧水」とは明確な定義が存在しないため、成分は適当に配合し、パッケージを豪華に作って香りを演出すればそれなりに売れるほどアコギな商売が可能なものです。
ほとんど水のようなものを数千円~数万円で販売する詐欺化粧品会社がわんさか存在する水素水のような世界です。普段CMなどで流れているあの化粧品会社も当てはまります。そんなものに騙されないよう、ここでは正しい化粧水の選び方を学んでいって下さい。
男性向けの化粧水のタイプ・種類
「化粧水」は大きく4つに分類できます。
- 水タイプ化粧水
- 界面活性剤型化粧水
- 油分系化粧水
- とろみ化粧水
先程解説したように、化粧水には明確な定義、「水分量◯%以上を化粧水と呼ぶ」というものが無いため、開発者が「化粧水」と言えば、見た目がクリームであっても「化粧水」になってしまうのです。
ただ一般的に、化粧水は水分量が8~9割以上のものを言うケースがほとんどです。
水タイプ化粧水
男性向けの化粧水の場合、出回っているものの7~8割近くはこれに該当します。油溶性の成分を含まず、水ベースの配合で原価を抑え、香り付けでそれっぽく仕上げた化粧水。
水・エタノールを中心に、皮膚を柔軟にさせる保湿剤(保湿成分ではない)、品質維持のための防腐剤、香り付けのための香料や植物エキス。正直、自作することも全く難しくないレベルの配合です。
驚かれる方も多いのですが、化粧水というのは本当にこの程度の成分で作れてしまいます。それが見事なパッケージ、重厚な容器、そしてブランドに包まれ、高値で売られています。成分原価は数十円、パッケージ原価がその数十倍近いのが水タイプの化粧水です。
利益重視で中身がすっからかんのものをどうやったら売れるか考えているのです。
見極めのポイント
ドラッグストアに陳列されている男性化粧品はほとんどすべてこのタイプです。水・エタノールが主体で、グリセリン・BGと保湿剤が続き、パラベン・フェノキシエタノールと防腐剤、なんとなくそれっぽい○○エキスと植物エキスが並んだ化粧水。
そして代わり映えしないよくある「男性化粧品の香り」「清涼剤っぽさ」を感じたら、それは完全にこのタイプです。もし試せるのであれば手の甲に乗せてみて下さい。角質への浸透力は皆無で、その場しのぎにもならない、肌の上で弾ける感覚があればそれは選んではいけません。
界面活性剤型化粧水
こちらは先程の「水タイプ」化粧水に対し、界面活性剤を含ませ、肌への浸透力を高めたタイプです。
99%水でできている先程のタイプの化粧水だと、皮膚はそれを拒絶し、角質内部に浸透させることはできません。お風呂に浸かっても私たちが溺れることがないように、皮膚の表面張力が働いているのです。
ただ先程の水タイプ化粧品であっても、アルコール類が浸透を助ける働きがあるため、すべてが浸透させられないというわけではありません。こちらのほうがより安全に皮膚への浸透を補助できるという意味です。
その補助役になるのが「界面活性剤」です。正直に言うと、界面活性剤は肌に悪いものです。皮膚を溶かして、異物を内部に強制的に浸透させるものですので、肌が弱い方は確実に反応が出ます。
「医薬用にも使われているから安全だ」と言う声も聞かれますが、反応が出る方がいる時点でそれは「人による」ところが正しく、安全な界面活性剤など存在しません。
ただ、「中でも安全性が高い界面活性剤」は存在しますので、以下のリストの界面活性剤が配合されている化粧水であれば、選んでも大きな影響は少ないでしょう。
- 水添レシチン
- ○○酸スクロース
- PEG-○○水添ヒマシ油
- ○○ポリグリセリル
なお「PEG-○○水添ヒマシ油」については、「○○」に数値が入ります。数値が大きいほど親水性が高く(水っぽい)、数値が低いほど親油性が高い(油っぽい)ものとなっています。
化粧水レベルでは「PEG-60水添ヒマシ油」が使われることが多いため、「PEG-10水添ヒマシ油」などが使われている場合は、かなり油分量が多いと判断し、控えるようにしましょう。
油分系化粧水
油分を配合し、より実感度を高めた化粧水です。当然ですが肌への負担が大きくなり、油ですので「確実に」酸化していきます。実感度重視の場合は先に紹介した2つより間違いなく長持ちしますが、最も肌への影響は悪いです。
また商品によって「これは明らかに乳液だろう」というものも、開発者が「化粧水」と言っているために「化粧水」として売られているものもあります。
そして、水と油を含ませるわけですから、先ほどとは違う用途で界面活性剤を含ませる必要があります。品質を安定させることも難しくなるため、化粧品会社の技術力・ノウハウも必要となり、価格もそれなりに向上します。
このタイプから「安全性」と「実感力」を両方得ることはできないため、化粧水によってあなた自身が何をしたいのかよく考えて利用する必要があります。このタイプを使い続ければ確実に肌の状態は悪くなりますが、いわゆる「お化粧」としての用途であれば、この化粧水一本でもある程度誤魔化すことができます。
「スキンケア」を目的とするのか、「お化粧」を目的とするのか、ということです。前者を望む場合、このタイプの化粧水を利用してはいけません。
とろみ化粧水
手に取った印象が、「油っぽさ」ではなく、片栗粉を溶かしたような「とろみ」のように感じる化粧水がこのタイプです。
ヒアルロン酸やポリマー類、コラーゲン類を豊富に含んだ化粧品が該当します。よくヒアルロン酸・コラーゲン=保湿成分、と解釈されますが、これらは肌の奥深くに存在するバネ・弾力をつかさどる成分ですので、皮膚表面に塗るだけではまず浸透することはありません。
化粧品の使用感と実感力を高めるために含まれる成分であり、肌内部の保湿成分を増やすような効果は一切ありません。ですから「ヒアルロン酸配合!」と書かれている化粧品を見ても、そこに高級感や特別感を抱かないようにして下さい。ただ皮膚の周りに片栗粉のようなとろみのある化粧品を塗るだけです。
しかしヒアルロン酸もコラーゲンも水溶性の成分ですので、界面活性剤や油分を含まずとも高い実感を得ることが可能です。ここまで紹介した3つの化粧品の中ではより安全で効果が期待できる化粧品であることには違いありません。
もちろん価格も多少高くなりますが、肌のことを考えた場合はこのタイプの化粧品を選ぶと満足いくように思います。
メンズ用化粧水の選び方まとめ
水系・界面活性剤系・油分系・とろみ系、以上4つを紹介しましたが、これらを組み合わせた化粧水や、冒頭解説したように化粧水の定義など存在しないため、クリームのようなものも中にはあります。
あまり神経質になる必要はありませんが、少なくとも全成分は必ず確認し「自分の肌は自分で守る」という意識は持つことが大切だと思います。特に男性のスキンケア知識は正直皆無ですから、化粧品会社からしたら「ドル箱」のような市場で標的とされています。
個人的に汎用性の高い、ドラッグストアで陳列されているメンズコスメを好かないのは、こうした大手ほどほとんど水のような化粧水を売っているからです。
また最近では「オールインワン化粧品」がブームとなっており、何か全く新しいものが生まれたかのように言われていますが、オールインワン化粧品自体は昔から存在していました。そもそも化粧水・乳液・クリームなどという分類が後発であり、昔はたった1種類のスキンケアが基本だったのです。
そして大手化粧品メーカーはそのブームに乗りながらオールインワン化粧品も売っています。化粧水や乳液を売りながらオールインワンも売る、そんな矛盾があっていいのかという点もツッコミどころ。
大手の都合もわかりますが、少なくとも「スキンケア」を考えた化粧品を売っているとはとても思えません。女性の皮膚トラブルが増えた理由も、基礎化粧品を何個も使いすぎていることが指摘されています。男性も女性のようにならないよう、成分表示や化粧品に関する最低限の知識は身につけるべきだと思います。
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