【抑毛ローション効果なし】青ひげ・濃いひげを薄くすることはできない
結論から言うと、「抑毛(よくもう)ローション」と言われる製品について、いわゆる脱毛・除毛・減毛、青ひげを目立たなくする効果はありません。
名前のイメージから、ひげが濃い男性から見て抑毛ローションに魅力的な効果があるのかと期待させますが、科学的に見てあり得ませんし、それが可能であれば脱毛エステやクリニックは潰れています。家庭用脱毛器なども存在するはずがありません。
塗っただけでひげが薄くなる!毛が無くなる!生えなくなる!
これって、冷静に考えて恐ろしいと思いませんか…?
あんなに太く、根強い、また男性のひげは他の部位に比べて多くの毛が埋まっていて脱毛でさえも1年~2年以上時間がかかるものです。男性は男性として生きていく以上「男性ホルモン」から逃れることはできないため、実質的な「永久脱毛」というのは不可能だともされています。仮にこの妄想的口コミが真実だとしたら、それはもう強力な薬品が混入され、ひげの問題以前に皮膚トラブルの方が多く起こっていてもおかしくないはずです。
実際に私は「ひげ脱毛」に1年近く通っています。ひげは確実に薄くなっていますが、それでもってしても「脱毛完了」には至っていません。抑毛ローションにそのありもしない効果を期待している方は、むしろ脱毛について学ぶべきでしょう。
抑毛ローションの本当の効果
抑毛ローションには「ひげ」に関する問題について何かを解決してくれる効果はありません。唯一スキンケア的に効果があるとすれば、それは肌を整える(整肌)効果。つまり、化粧水の要領で肌に水分をなじませ整える働き。それを「抑毛」と表現し「ひげが薄くなる」「コンプレックスを解消できる」と煽るのは、倫理道徳的にどうなのかと疑わざるを得ません
またこれはあくまで「化粧品」。化粧品は薬機法の適用を受けるものではあるものの、「医薬品」ではありません。化粧品だから効果が無いとは言いませんし、実際に今は化粧品であっても「効果」を謳うべきなのでは、という商品もちらほら。
ただ化粧品である以上、成分配合の制限があり、ひげを薄くさせるほどの強力な成分を大量に配合することはできません。また化粧品は、何かを改善・治癒するものではなく、「予防」が基本。
「ひげを薄くする」「ツルツルにする」という外科的な効果を生み出す成分もありません(あるとすればそれは、肌を溶かす成分であったり、ひげに対するアプローチではないもの)。実際に全成分を見ても、極極一般的なものばかり。つまり、通常の化粧水と同じなのです。
パイナップル豆乳ローションのコールセンターに問い合わせてみた
あまりに納得できないため、また実際に手にとって塗布しても「心地よい化粧水」としか感じなかったため、この抑毛ローションを販売する鈴木ハーブ研究所のカスタマーサービスに電話してその効果を確認してみました。すると驚きの回答が。
質問①:パイナップル豆乳ローションを塗るとひげが薄くなるのか
A:そういった声、お喜びの声を頂くことは確かにあります。しかしひげを薄くさせる「直接的な効果」があるわけではありません。毛というのは元々、外的な刺激や紫外線、雑菌などから「肌を守るため」に生えているため、肌を丈夫に・健康に保つことができていれば本来毛は生えてこないのです。そうなるために肌を導くのがこのパイナップル豆乳ローションです。
なんとも言えないオブラートに包み込まれた、腑に落ちないというか、精神論を聞かされたような感じでしたが、私がパイナップル豆乳ローションについて当初抱いていたイメージとは異なりました。
というのも、私はパイナップル豆乳ローションについて、肌を溶かしたり、科学的な強制力のもと肌から毛を生やさないようにするものだと思っていたからです。
そうではなく、むしろパイナップル豆乳ローション自体は「超安全」で、そのようにして肌を整えながら「毛は生える必要はありませんよ」と体に訴えかけるものだというのです。
正直、よくわかりませんでした。
質問②:パイナップル豆乳ローションで青ひげが「治る」のか
A:薬機法(旧薬事法)の関係でハッキリとしたことを言えませんが、「豆乳イソフラボン」という男性ホルモンの働きを抑制する成分が含まれているため、不可能ではありません。
この説明は一番腑に落ちました。なぜなら「薬機法」についてしっかり理解された上で販売していることが分かったからです。化粧品開発会社において、例えば「肌を白くさせます」という効果をもたせるのは実は難しいことではありません。しかし、薬機法の関係で、広告やPR文に「シミが消えます」「肌が白くなります」という表現ができないため、仕方なくそれっぽい言葉で消費者に印象付かせるのです。
もちろんそれを悪用する会社も多いのですが、効果を化粧品に持たせすぎると、今度は「安全性」という問題が出てきます。効果が強いと、成分の濃度も高くなるため、そのバランスを保つのが難しくなります。効果と安全性を両立させた化粧品というのはかなり貴重で、それが値段などに反映されます。
ただこのパイナップル豆乳ローションにおいてはどうかというと、その効果を持たせるための根拠が「豆乳イソフラボン」だと言うので、効果の程は非常に「低い」と推測できます。
その理由が以下によります。
①豆乳イソフラボンが実際の医療現場で使われることはない
②ホルモンバランスが乱れるほどの女性ホルモンを取り入れなければ体の変化は起こり得ない
③経口摂取ならまだしも化粧品類の塗布でホルモンバランスの変化を期待するのは無理がある
質問③:マニュアルに記載の「ムダ毛ケア」の意味を教えてください
A:私たちは「ムダ毛ケア」について「肌を整え毛が生えにくい環境を作る」という理解でこちらの言葉を使用しています。「抑毛」という言葉の解釈は多岐に渡ります。毛は「肌を守るため」に生えているものなので、健康的な肌を保つことは間接的に抑毛につながると考えています。
ひげを薄くしたり、青ひげが改善されたりというのはあくまで間接的な働きであり、「ムダ毛ケア」というのも「整肌効果」と理解してください。
コールセンターの方から聞いた話しだと「パイナップル豆乳ローションを使ってひげが薄くなった」という声があるのは確かにあるようです。
ただこれだけは間違いないのが「パイナップル豆乳ローションを使った抑毛(又は除毛)」の効果は直接的な働きではなく間接的な効果だということを強調されていました。抑毛ローションというよりは「化粧品」として購入したほうが、購入後の落胆、ギャップは少ないと思います。
質問④:パイナップル豆乳ローションの効果はどれくらいで現れますか?
A:個人差があるため具体的な期間については申し上げられません。
パイナップル豆乳ローションはあくまで「肌を整える」ための化粧水としての側面が非常に強いです。
確かに含まれている成分や理屈としては、パイナップル豆乳ローションを使ってひげが薄くなる・細くなる・生えづらくなるということは起こり得ますが、その実感が得られるまでに一体何本のパイナップル豆乳ローションを使えば良いのかわかりません。
肌を整えるため、豆乳イソフラボンを補給するためなら、市販の「なめらか本舗」などの豆乳イソフラボンを配合した化粧品を使った方がよっぽど経済的でしょう。効果が出るまでの期間について個人差があり、その効果自体も間接的な働きであるという、何回遠回りをしないといけないのか、意味がわからなくなってきます。
抑毛の根拠というのは「大豆イソフラボン」という女性ホルモンに似た成分による間接的な効果によるものだというのです。「他には?」と聞くと、「多くの方から実感の声を頂いております」を繰り返すのみ。
大豆イソフラボンを含んでさえいれば何でも「抑毛ローション」ということができてしまうのでしょうか。では、なめらか本舗の豆乳ローションでもいいの?市販の豆乳でもいいの?という話になります。
また、「似た成分」というのも気がかりです。女性ホルモンの働きで毛が薄くなったり、胸が大きくなったり、女性らしくなることについては理解できます。最近では頻繁にLGBTの方がそういった話をメディアを通じてしてますし、実際に女性転換したタレントもいます。ただそのためには、非常に辛い副作用(吐き気・めまい・動悸など)と戦う必要があり、その苦悩についても話されています。
それに対して、女性ホルモンに「似ている」成分を、しかも経口摂取や注射ではなく、肌の上からパタパタと塗っただけで効果があることは考えられません。
「ひげが薄くなった」という口コミが存在する理由は
脱毛というのは毛周期に沿って行い、毛乳頭に対し光や刺激を当ててそれを殺し、毛が生えないようにする方法です。従って、ひげの脱毛であっても一回の施術で終わることはありません(平均1.5~2年)。
青ひげで悩まれている方でも、ひげを剃った仕上がりが良い日と悪い日がかなりまばらだったり、季節的に、または定期的にひげの調子が良かったり悪かったり(青く見えたり見えなかったり)することがあるでしょう。
抑毛ローションを使っていてもそれは同じ。つまり、抑毛ローションを使っているから毛が薄くなるのではなく、たまたま退行期の毛(役目を終えた抜け落ちるのを待っている毛)や休止期の毛が多い状態の肌にあるだけ。
科学的に見ても抑毛ローションを使ってひげが薄くなるということはあり得ません。きちっとした脱毛でも2年近い月日を要するというのに、抑毛ローションの間接的な効果を期待して毛を薄くさせたいという場合、それはもう何十年、何百本という抑毛ローションを浴び続ける必要があります。それで毛が薄くなったとしても、それは抑毛ローションによる効果で毛が薄くなったとは判断ができないでしょう(ただの老化現象・生殖器の衰え)。
また、脱毛で平均2年ということは、抑毛ローションに効果があったとしても最低2年は試す必要があるということです。コスト面を考えても、1本3,240円(2ヶ月分)を2年使用すると38,880円です。当たり前ですが1本では100%効果などありません。複数本使用したとしても効果が出るか出ないかわからないものに、そこまでお金はかけられません。
それならひげの脱毛をした方が格段に安く確実でしょう。今はまばらに薄くするための脱毛やデザインする脱毛もあるので、私だったらそちらを選びます。
女性ホルモンの作用があったとしても、それは体内で作られ、その根本から押し上げるように効果を生み出すもの。肌の上からパタパタ塗り込んでも、まず毛の奥まで浸透しませんし、大豆イソフラボンは女性ホルモンに「似た」成分に過ぎないため、購入したとしても後悔しか残らないでしょう。
実際に私も買って後悔をした人間。冷静になって考えればわかることですが、どうしてもコンプレックスの解消については「お金がかからない方法」ばかりを考えてしまうのが人間。その弱みに付け込まれ、自分が悪いといえばそれまでですが、これを読んでいる方も冷静な判断と、またそれを使う目的について考えるべきだと思います。
結論ですが、青ひげは脱毛以外の方法で薄くなる・消えることはありませんので、それだけは覚えておいてください。
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